13 SONGS

 いまさらネタばれしてしまうと、3月半ばからずっと休職中だったのね。
 病名は無い。精神的ストレスおよび睡眠障害に起因する”抑うつ状態”と
 診断書には記載されている。
 さて、この四ヵ月半、どうやって暮らしていたか、と問われましても、
 ぶっちゃけ 「電脳空間で暮らしていました」 としか言いようもなく、
 どこか旅行にでもと思ったときもあったけど、それも適わず。
 8月から復職可との見通しとなったこともあり、せめて何か形に残したいなぁ、
 と思い、2012年夏、「音楽」の観点で「今の自分」をまとめてみることにした。

 最初に断っておくけれども、これは自分のためのまとめ、でもありますが、
 誰かにオススメを訊かれたときはこう答えよう、という曲たちです。
 このページを見てくれている人が視聴し、少しでも思うところがあれば幸い。
 ヒットチャートを賑やかす曲はほとんど無く、サブカル臭全開ですが、
 もし明日世界が終わるならば、この曲たちを聞いてから死にたい、
 そんな歌たちです。
 ちなみに洋楽もいろいろありますが、また別の機会に。

 ※文中、敬称略にて失礼

 1.空を舞う翼-Album Mix-/島宮えい子(2003)


 2000年代前半は、いわゆるエロゲーの曲を多く手がける「I've」にハマって
 まして、その曲群をから一曲選ぶとしたら間違いなくこれかなぁ、と。
 数多くの音を重ね合わせたアップテンポの曲ですが、なによりも良いのは詩。
 愛してるとか嫌いとか、そんな単語が一切出てこない、そこにあるのは圧倒的
 な浮遊感、そして例えようのない”場面”の感覚。

 2.何処へでも行ける切手/筋肉少女帯(1991)


 学生時代はネット黎明期にあって、当時ファンだった筋肉少女帯関係のチャット
 に常駐してたのは懐かしい思い出。このバンドは本当は物凄い技量(曲、演奏、
 詩、独特な語り、世界観)を持った集団だったにも関らず、一般的にはコミック
 バンドとしてしか認知されておらず、そのやるせなさも手伝ってか、ファン同志
 の結束が異常に高かったなぁ。それも1999年の凍結で冷や水を浴びせられること
 になるのだが。
 ここから一曲選ぶとすればまちがいなくこの曲。内田のプログレベース、太田の
 独特なドラムワーク、橘高のむせび泣くギター、そして大槻の絶唱、語り。
 (本城色はまだ薄い) 筋少のエッセンスのすべてが詰まっているといっても過言
 ではない名曲と思う。
 ちなみに、この「包帯を巻いた少女」のイメージは、後に「エヴァンゲリオン」
 の綾波レイのモチーフにもなった。

 3.We're laughing in the hole/Les LONG VACATION(1994)


 筋少のルーツである「ナゴムレコード」つながりで有頂天やケラあたりの音楽も
 聴くようになったが、その後就職してから一番聴いていたのは
 「LONG VACATION」の曲群だった。大滝詠一の同名アルバムから拝借した
 バンドは、テクノありポップありジャズあり、とにかくおしゃれな音楽だった。
 大変にマイナーなバンドだったため動画を探すのに苦労したけど、表題の曲を
 選んだ。本当は「The Figure of Summer」も推したかったが動画なしで断念。
 中心人物のケラは今は劇団活動のほうがメインになっているが、音楽シーンへの
 復帰も心待ちにしております。

 4.BIRTHDAY SONG,REQUIEM/Key+Lia(2002)


 小生、実は鍵っ子である。いや、だった、だ。Key作品はCLANNADまでプレー、
 その後はやってませんけど、音楽だけは聴き続けています。
 特に麻枝准の書く曲は不思議なほどに良曲揃いなのだが、その中でも「鳥の詩」
 のLiaとのコンビネーションで発表された3枚のシングルから一曲。どこまでも
 突き抜けるような爽やかな音楽に乗せられた透き通るような声、これだけでおなか
 いっぱいになりますね。

 5.歓喜の歌/頭脳警察(1991)


 これも学生時代からよく聴いていた頭脳警察から一曲。70年代は左翼思想に染まって
 レコードの発禁を食らったりしてたけど、90年代の再結成以降はさすがに年輪を感じ
 させる余裕のある歌をカッコよく歌うようになったもんだ。
 詩をよく聴いていくともの凄く恥ずかしいセリフが並んでいるけれども、それを全く
 感じさずに歌い上げるパンタの「ダサかっこよさ」はあらゆる年代に通用するスタン
 ダード的なものを感じさせる。ホント、こんな大人になりたかったなぁ。

 6.One More Time, One More Chance/山崎まさよし(1997)


 ご存知の方も多いと思うが「秒速5センチメートル」の主題歌。
 とはいっても、この曲のイメージありきで作られた映画という話もあるのだが。
 何故か毎年元旦の日にこの映画を繰り返し見てる俺が居るんだが、何回見ても
 第三部の主人公が自分とオーバーラップして、手に握ったバーボンを煽るように
 飲み干すのが常になっている。何者かになろうとしたが、結局違ったモノになって
 しまった自分を卑下して、それでも受け入れることが出来て微笑むラストシーン
 で流れるこの曲は何度聴いても色あせない憂いを持っているように感じる。

 7.歌うたいのバラッド/斉藤和義(1997)


 いきさつは忘れたが昨年あたりに斉藤和義の曲を漁っていてこの曲に辿り着いた。
 歌うたいができる全てのことを素朴な言葉と曲で綴ったこの歌にすぐに魅入られ、
 どんどんと彼の世界にはまっていくことになる。
 ちなみに声が低めでも非常に歌いやすいのでカラオケでは重宝、サラリーマンな
 だけに「おつかれさまの国」から入るのが定番になっている。
 しかしこのPV意味不明だなぁ、良曲が台無しだぜぇ・・・

 8.永遠なるもの/中村一義(1997)


 次は中村一義。ここまでの3人は活躍時期も重なっており、セットで「3よし」とも
 言われてますね。
 中村一義は「状況が裂いた部屋」にて、一人で曲を書き、演奏し、歌い、そして
 マスタリングまでするという、ひときわ異彩を放つアーティストでもある。
 最近のバンド=100sとしての楽曲も非常に良いが、やはり初期のビートルズの影響
 が色濃く見て取れる曲群のほうが中村らしいなと思う。
 「全ての人たちに足りないのは、ほんの少しの博愛なる気持ちなんじゃないかなぁ」
 この一行に至るまでの人生観の綴り上げに、聴くたびに鳥肌が立つ。

 9.God Bless You/marina(2010)


 麻枝准原作・作曲のアニメ「Angel Beats!」から一曲。
 ほとんどの曲はアップテンポのバンド曲(捨て曲が一切ない素晴らしい出来!)
 なので、この曲を取り上げるのは誤解を与えるかもしれない。
 けど一番好きなのでしょうがない。
 弾き語りからバンドサウンド、さらに重厚なコーラスで〆る10分30秒は圧巻の一言。
 「ここから歩き出す/すべての魂に/神の祝福よあれ/God Bless You」

 10.夏待ち/ROUND TABLE feat. Nino(2006)


 以前も取り上げたが、アニメ「ARIA」から一曲。
 これも愛だの恋だのといった詩は一切出てこなく、そこにあるのはただひたすらな
 「夏を待つ風景」なのが良い。のんびりとした初夏の爽やかな午後に聴きたいなぁ。
 目を瞑り曲に体を預ければ俗世の穢れから離れた爽やかな空気に触れることができ
 そうな気もする。

 11.夏鳥/中島愛(2010)


 前述の「ARIA」のスタッフが「たまゆら」というアニメ作品を手がけるとのことで
 期待していたのだが、期待を裏切らない出来で、楽曲にもぬかりはなかった。
 尾道からさらに西、竹原を舞台として、主人公が亡き父親への想いを綴った歌と
 思う。瀬戸内海の島々の風景、ありきたりだけど、大切な風景が浮かんで来るよう。

 12.二隻の船/中島みゆき(1992)


 中島みゆきのライブ「夜会」のメインテーマより。
 大吟醸と大銀幕の二枚のベスト盤しかもってないが、氏の魅力を存分に伝える名盤
 だと思う。この曲は北海道に旅行に行ったとき、帰りのフェリーの甲板の上で聞いた
 のが印象深い・・・「歌」とは聞き手の人生の場面とのクロスオーバーにより、
 強い「想い出」に昇華されるものだと思う。そういう事を「しあわせ」と言うのかも
 しれない。願わくば、自分含め皆さんに、そういった「生きた証」がありますように。

 13.積み荷の無い船/井上陽水(1998)


 最後は井上陽水から。
 この曲はドラマ版「深夜特急」のテーマソングとして用いられていたことから知り、
 初めてシングル(TEENAGER)を買った曲でもある。むせび泣くようなサキソフォン
 から入る大人びた雰囲気、異郷を旅する一人の男が夜に想う風景が見えるようで、
 とても良いテーマソングになっていると思う。
 「深夜特急」の中で主人公=沢木耕太郎はバックパッカーから「禅」とは何か?と
 問われて答える。「道の途中にいること」と。
 僕たちは、いまだ、長い旅の途上にあるのだろう。



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by yuzu_ponz | 2012-07-27 16:34 | チラシの裏 | Trackback | Comments(0)