北海道2006 Part 2 -島をまたぐ話

  ちゅうことで、第2回目です。全3回で片付くかな?



*3日目:利尻島→礼文島
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  今後の台風の進路を考慮し、1日早く宿を後にすることにした。
  朝10時のフェリーに乗るのだが、9時過ぎに送ってくれるという。
  寝坊してしまった私は、急いでユースの裏にある丘を登った。
  青空の転じた、深く青い海に礼文島が横たわる。
  またあの島に行くのか・・・4年前の熱狂は、いまは無くとも。
  今度こそ、静かにいろいろと見て回ろうな。

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  フェリーは岸を離れた。

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  わずか40分ほどで礼文島へ着く。
  それにしても、島の雰囲気というか、時の流れ方というか。
  うまく言えないけど、都会にないこの感覚はとてもいいものだと思う。
  港では桃岩荘(註)の若者が大声をあげていた。相変わらずだな。
  でも今回はゆっくりと過ごすんだ。いつかまた。それまでごきげんよう。
  私は荷物をコインロッカーに放り込み、まずは昼飯を求めて歩き回った。

  註:桃岩荘ユースホステルは、別名「キ○ガイユース」とまで言われている
    激しいユースだ。毎晩のように行われる体育会系の「ミーティング」は必見。
    また、礼文島を縦走する「愛とロマンの8時間コース」も素晴らしく、私も、
    4年前に一度参加している。
    ・・・激しく人を選ぶユースだが、一度は行くことをオススメします。

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  とある食事処に入り、ほっけのチャンチャン焼き定食と生ウニを注文する。
  僅かに+500円で付く生ウニであったが、えっと、これなんですか、生ですか。
  なんか棘がぐにぐに動いてるんですが・・・(゚д゚;)・・・グロっ!
  とか言いつつもスプーンでほじくり返してごはんに乗せて食べましたよ。
  うまいけど、グロい。グロいけど、うまい。困った。
  他の生命を取り込んで生き長らえるという生命の本質を感じながら食べる。
  でもグロい。
  もちろんチャンチャン焼きも美味かったですよ。

  で、焼きつつ雑談に付き合ってくれた快活な店員M君に、この辺でオススメの宿は
  ないかね?と聞いてみたら、すぐ裏にオススメの旅館あるッスよ、「うっきー」っすよ、
  との由。これも何かの縁だと思い、詳細確認するまでもなく即決。この適当さが快い。

  早速紹介された旅館にて予約を済ませて、さらに散歩を続行することにした。
  女将さん曰く、「台風が近づいているから明日には島を出たほうがいいかもね」
  とのこと。うーん、もったいないが、暴風吹き荒れる中、居ても仕方ないのかな。
  急いで桃岩に出掛けた。

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  桃岩とは、礼文島の観光名所の一つで、香深港から徒歩1時間程度で行ける、
  ちょっとしたハイキングにうってつけの丘だ。そして、ここから見える利尻富士は
  見事の一言に尽きる。 それにしてもなんだ、風が心地いい。
  「風こそは、信じ難いほどやわらかい真の化石だ」という誰かの言葉を思い出す。

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  こんなところにまでカラスがいる、けれど、決して不快な気分ではなかった。
  近づいても逃げないカラスは、海のほうを見たまま、微動だにしない。
  なにかとても深遠なるものを見ている気分だった。

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  丘を下ると、礼文島の最南端、知床の集落だ。
  まるで昭和30年代を思わせるようなくたびれた漁村、こんな場所が今の日本に
  あるということ自体が衝撃的だ・・と、・目の前を腰の曲がった老婆が通り過ぎる。
  漁師小屋を覗いてみると、黙々とスジコをバラしている。そうか、何気なく食べて
  いたイクラも、こうやって人の手で作られているんだな、と感心した。

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  だからこっち見んなと。

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  港猫、玉砂利の上でスピスピと睡る、夕暮れ。
  幸せってなんだろうね。
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  本日の最終便だろうか、フェリーが出た。

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  日も暮れ、旅館でチェックインを済ませ、夕食は昼と同じ店へ。
  ワンドリンク無料券をもらったからだが、そんなもの無くても行ってたんだろうな。
  昼に引き続き、M君に焼き物をしてもらう。
  つぶ貝、ホタテ、生ダコ・・・炭火の上でじゅうじゅうと焼かれる海鮮もの、
  それだけでも極上なものなのに、地元の漁師のオッサンととM君の微笑ましい
  やりとりをみていると、それだけで幸せな気分になれるのはなぜだろう。

  そして、人気のない港で、吸い込まれそうな星空を見る。


*4日目:礼文島→稚内
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  朝、10時前に宿を出た。ちょうど10時にスコトン岬行きのバスがあるのだ。
  それに乗って、ちょっくら北限の地を散歩してみようと思うのだ。
  待ち時間に、桃岩荘恒例の見送りの風景を眺める。
  しかし天気は芳しくなく、厚い雲に覆われたままで、陽射しの気配すらもない。
  なんとなく憂鬱になりながらも、バスに揺られること約1時間、スコトン岬に着く。

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  スコトン岬は例によって定期観光バスの集団で賑わっていた。路線バスから
  降りたのは私一人きり。そして、定期観光バスが引き上げたあとに残されたのも、
  私一人きり。なんて寂しいんだ。少しは一般の観光客もいるだろうと思ったが、
  アテがはずれまくりだ。

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  一人、歩き始める。4年前は8時間コースという礼文島縦断コースを歩いたのだが、
  今回は4時間コースを歩いて、バスで香深へ戻り、最終のフェリーで島を出ようと思う。
  それにしても、寂しい風景だなあ・・・冬の間はどんな景色なのだろうか、と考える。

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  島の西海岸は点々と集落があるだけで、道路はほとんど無い。
  果てしなく続く道に居るのは私一人きり。叫んでもだれも気付かないだろう。
  たまにはこういう場所にいるのもいいもんだ、と開き直り、
  丘を登り、草原を抜け、風に吹かれて、急な坂道を下り、、、歩きつづけた。
  不意に打ち棄てられた軽トラを見る。
  夏が来て冬が来て夏が来て冬が来て・・・私のあずかり知らない場所に流れる
  時間の重みを感じる。

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  本来の4時間コースでは澄海岬(すかいみさき)を経由するのだが、この曇り空では
  行く価値も無いだろうと思い、途中から浜中方面へ戻る道に入る。
  道中、こんな看板を見て、さらに鬱度がアップする。
  ・・・なんだこのもの悲しさは。

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  やがて、帰りのバスの始点である船泊の病院前に着き、この旅の前半戦
  に終止符が打たれた。最初は良かったがじりじりとにじり寄る憂鬱な気分。
  ・・・振り払わねば!
  17時過ぎのフェリーに乗り、ビールを飲みながらまどろむ。
  19時過ぎに稚内着。そのまま適当なホテルを探して、投宿した。
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by yuzu_ponz | 2006-10-15 21:38 | チラシの裏 | Trackback | Comments(0)